整体院ごとに料金がまったく違うのは何で?
整体料金が高いほど効果がでやすいの?
乱立状態で、至るところにあふれかえっている整体院。
そんな整体院に対してみなさんが感じる疑問のひとつに「料金」があります。
というのも整体料金は、整体院により大きく異なることが多く、なかには「1回10,000円以上」の整体院も存在すれば「1回2,000円ほど」の整体院も存在します。
では、この料金の差は一体何なのでしょう。
本記事では、整体業界歴15年以上の筆者が整体料金についてをくわしく解説させていただきます。
整体料金が高い理由
整体料金が高い理由には様々な背景があります。
- 利用者数の増加
- 利用者数の減少
- 整骨院の乱立
- 利用者の意識の低さ
利用者数の増加
毎日、予約が取れないほど利用者数が増加するとします。
このような状況においての判断は大きく異なりますが、整体料金を高くするという判断をとる経営者も少なくありません。
理由としては、毎日予約が取れない状況ということは「需要に対して供給が追い付いていない」状態です。
いわゆる、嬉しい悲鳴なのですが、あまりにもこの状況が進んでしまうと予約が取れない状況から利用者が離れていき「需要の低下」に繋がりかねません。
そのため、予めある程度の需要を減らしておいて「需要と供給のバランスをとる」ことが大切です。
その手段として「整体料金の値上げ・高額化」があります。
1回3,000円の整体で月に100人が来たときの売上は「300,000円」ですよね。
1回6,000円の整体で月に50人が来たとくの売上も「300,000円」です。
でも、1回6,000円の整体では月の利用者は半分。つまり、それだけ予約が取りやすくなり、ひとり一人にかける時間も増やすことができるというメリットがあります。
ただし、途中から値上げをする場合は「値上げされたけどココの整体が良い」と利用者から思ってもらえるだけの人気と技術が必要です。
利用者数の減少
整体院の飽和化において、どこの整体院も利用者数の減少で苦境を強いられています。
全体的な利用者数が減少していくなかで、多くの経営者がとる手段は「客単価の増加」です。
これは、先ほどの利用者数の増加とは打って変わって「苦肉の策」ともいえます。
しかし、現在の整体院の数をみれば、嬉しい悲鳴で整体料金を上げる施設よりも、苦肉の策で整体料金を上げる施設の方が多いことが現状です。
原理は利用者数の増加のときと同じ。
1回3,000円の整体で月に100人が来たときの売上は「300,000円」ですよね。
1回6,000円の整体で月に50人が来たとくの売上も「300,000円」です。
つまり、利用者数が減少しても整体料金を上げることによって売上を確保することができます。
ただし、利用者数が減少しているなかで整体料金を上げることは「賭け」の要素も強いためリスクも大きいですが、意外と整体への付加価値(高いから良い整体なんだろうという利用者の気持ち)のようなものが付くため、成功している整体院も多いです。
整骨院の乱立
整骨院では保険を使用することができます。
そのため、窓口での支払いが、200~1,000円ほどで施術を受けることができるため「整体院は高い」という認識を持たれてしまうことが多いのです。
また、追い打ちをかけるように整骨院の数は軒並み増加傾向にあり、近くの整骨院で気軽に保険を使用したリーズナブルな施術を受けることができます。
結果、ますます「数千円払わないといけない整体院は高い」という認識を持ってしまう人が増加していることが現状です。
整骨院では何の施術でも保険が使用できるわけではありません。
例えば、慢性的な痛みや不調。理由がはっきりしない痛みや不調などは保険使用の対象外。リラクゼーション目的の施術なんて論外で対象外です。
また、2022年6月の改訂においては「保険組合ごとに保険施術の必要があるかを確認する必要がある患者に対して受領委任(保険を使用して自己負担金を支払う従来の方法)の取扱いを中止し、償還払い(窓口は全額負担、のちに書類を準備して役所に提出する方法)に変更できる」という内容が追加されています。
整骨院での保険施術は、利用者側にも整骨院側にもwinwinの関係が築き上げられるため、双方に結託されてしまうと、どうしても第三者によるメスが入りにくい状況が生まれてしまっていました。
今回の改訂は、少なからずこれまでの状況に変化をもたらす改訂となっている可能性があるため「整骨院は安く揉んでも貰える」のような考えを持たれている人は、認識を改めていただくことをおすすめします。
参考元①:柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱い
利用者の意識の低さ
これは医療業界においても深刻視されていることですが、日本の医療は「気軽に安く受ける」ことができます。
このこと自体は、良いことだと捉えることはできますが、健康意識・予防意識の低さにも繋がるという問題点もあるのです。
整体でも同じことが言えます。
いくら整体を受けても、日常生活においての改善を行わなければ本当の意味での改善には繋がりません。
「悪くなったらまた整体に行けば良いわ」という認識は料金が安いから言えることです。
そのため、整体料金を高くすることで、利用者の健康に対する意識を高くしたいという想いを持って高額料金を設定している整体院も少なくありません。
高額なダイエットジムが大流行しましたよね?
ダイエット成功者が多い理由として、もちろんトレーナーの技術や知識も一流ですが、高額な料金を支払うことで利用者が「本気」になるという理由があります。
ダイエットはいくら優秀なトレーナーが付いても、本人の意志が弱ければ結果は出ません。
整体も同じです。いくら整体を受けても、本人の意識が変わらなければまた同じことを繰り返します。
そのため、場合によっては高い整体料金を支払って整体を受ける方が結果が出やすいこともあるのです。
【整体料金の差による違い】1万円と3千円の整体は何が違うの?
整体料金が高い理由をご覧いただけると何となく察しがつくかもしれませんが。
そもそも、整体の料金設定は整体院により自由に行うことができます。つまりは言い値でOKということです。
自分の整体に自信を持ってハイブランド化したい場合には高額の整体料金に設定する場合もありますが、リーズナブルに沢山の人に来て欲しいという想いの場合は低価格に設定する場合もあります。
つまりは、整体院ごとの状況やコンセプトによって整体料金の価格設定が行われることがほとんどなのです。
ラーメンの話をします。1杯3,000円のラーメンって超高額ですよね?
でも、具材に鮑・蟹・フカヒレ・ホタテなどの高級食材をふんだんに使用していれば、超高額という認識は変わりませんが相場として納得はできるはず。
なぜ納得できるのかというと、鮑や蟹が高級食材だという市場価値がある程度決まっているからです。
しかし、整体には市場価値がないため、自分の施術を高級食材だと位置づけることもできますし、リーズナブルな食材だと位置づけることもできるのです。
様々なオプションを付けている場合もある
「俺の整体は超一流だから1回10,000円だ!」と言われても、少し腑に落ちませんよね。
そのため、なかには様々なオプションを付けて高い整体料金を設定している施設もあります。
利用者として気を付けて欲しいのは「本当に必要なオプションなのか?」ということ。
例えば、骨盤矯正を受けに整体院に行ったとします。
すると、担当スタッフから「〇〇さんは腹筋が弱いから骨盤が歪んでしまいます。骨盤矯正と同時にお腹を鍛えた方が良いので楽トレを受けることをおすすめしますよ!」と言われ、半ば強引に楽トレのオプションを付けられるとしましょう。
このような場合、判断に困るとは思いますがおすすめの方法は「複数の整体院に行ってみること」です。
また、あまりにもオプションを付けようと強引過ぎる整体院には通わないことをおすすめします。
整体料金が高い理由のまとめ
整体料金は高い理由をまとめると以下のとおりです。
- 需要と供給のバランス維持のため
- 客単価アップのため
- 整骨院が保険を使用しているため
- 利用者の意識を高くするため
整体料金だけで、整体院の質をはかることは難しいです。
そのため、料金にとらわれることなく様々な整体院を利用してみましょう。
最後は、ご自身のフィーリング。
「この人なら自分の身体を任せても良いな」と思った整体院にしばらく通ってみることをおすすめします。